見た目はホントにそっくりな双子 一卵性双生児なわけだ
つまり遺伝子が100%同じなのだが、性格や気質も見た目ぐらい同じなの?
認知能力とパーソナリティの発達を調べる「双生児法」
遺伝と環境が人間に与える影響研究する / 心理学者・安藤寿康
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】
(文=川端裕人/写真=的野弘路 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 安藤寿康・「知能指数は80%遺伝」の衝撃 =2/3= ◆◇
なにはともあれ、双子研究に話を限ると──
「一卵性と二卵性の区別をした上での観察は、20世紀の前半、1920年から30年代ぐらいには方法論としてはできていました。まずはドイツで、これはもちろんナチスなんですけど、人種政策に反映される優生学の基盤になった残念な研究。それから1940年代ぐらいからアメリカでも研究が始まります。特に1970年代以降、行動遺伝学会というのができて、テキストもたくさん書かれ、一つの学問領域として確立されました」
初期の双子研究が、優生学やナチスの人種政策、優生政策に寄与した、というのはとても重要な論点。安藤さんも、常に、どう相対するか、どうすれば乗り越えられるか、考え続けているという。ただ、それについて詳しく語ろうとすると、単純には済まない。というか、本一冊書いても足りないだろうし、ぼくにその能力もない。この種の研究が「悪用」されてしまいかねないダークサイドの面について留意しつつ、今はこの流れのまま、安藤さんと行動遺伝学との出会いに進みたい。
ちなみに、安藤さんは、教育学の学生として、最初は「遺伝よりも環境こそ大事」とする、「ピッカピカ」の環境派だったという。
「バイオリンのスズキ・メソードってあるでしょう。創始者の鈴木鎮一は、我が国が生んだ幼児教育の天才だと思うんですね。それこそモンテッソーリやペスタロッチといった人達と同じレベル。子どもの頃から母語を話しかけるのと同じように、周りでバイオリンを弾いて遊んであげる。そして、超一流の作曲家の曲を超一流の演奏家が演奏するのをいつも聞かせてやれば、美しい心が子どもの中に育っていくという、すごく楽天的な考え方。
でも実際、天才しか弾けないと思われていたバッハやビバルディのコンチェルトを6歳、7歳のどこにでもいる子どもに弾けるようにさせてしまったわけで。彼の言い分を聞くと、環境を完璧にコントロールできたら、どんな能力でも育っちゃうんじゃないかと思えたわけです」
ちなみに、スズキ・メソードのスローガンは、「どの子も育つ 育て方ひとつ」「人は環境の子なり」だそうだ。安藤さんはこれをアカデミックに基礎づけたいと思って、大学院に入ったという。まさにピッカピカの環境派、である。
しかし、大学院での指導教官だった教授から行動遺伝学の本を紹介され、衝撃を受けた。
「アメリカは、遺伝か環境か、生まれか育ちか、っていうのが、人種問題と絡めてホットな話題になる国です。ソビエトに人工衛星の打ち上げで先んじられたスプートニクショックで、科学教育が重要ということになって、低所得層、マイノリティの教育の底上げが始まります。『ヘッドスタート計画』といって、テレビの教育番組、セサミストリートもそこから生まれました。そんな中、ちょうど1970年頃、ジェンセンという心理学者が、実は知能指数IQは遺伝によって80%決まっているんだと、双子の研究で明らかにしたんです。黒人と白人との間にはかなり大きな遺伝によるIQの差がある可能性を述べた論文を出して、社会的大事件になって。それについての本と、それに対する批判の本っていうのが、ちょうど日本の翻訳書として出ていたんです」
・・・・・・明日に続く・・・・
◇ なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える[安藤寿康] ≪AI朗読≫ ◇
・・・https://youtu.be/uwL12Onil2I・・・
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//////参考資料///////
■□ 参考資料: 残酷な「遺伝の真実」あなたの努力はなぜ報われないのか (4/4) □■
知ると後悔するかもしれない… / 「遺伝の影響が60%」の意味
= 安藤 寿康 : 慶應義塾大学教授 (行動遺伝学、教育心理学) =
これは100%、2階の高さで決まっている。つまり2階率100%だ。今度は逆に2階の高さが3mで一定、1階の高さだけが2mから4mのあいだで散らばっていたとしたら、これら2階家の高さの「ばらつき」における「1階率」は100%、「2階率」は0%ということになる。
ここで1階も2階も、同じように2mから4mのあいだでランダムにばらついた組み合わせからなる5軒の2階家の高さについて考え見ると、1階も2階も同じ程度に散らばっているので、だいたい1階率も2階率も50%ずつくらいとなる。
また1階のばらつきは2mから4mと2mの幅だが、2階のばらつきはその半分で2.5mから3.5mと1mの間しかないとしたら、1階対2階の比が2:1となり、1階率がおよそ67%、2階率がおよそ33%となる。
遺伝と環境の割合も、おおむねこうした関係をイメージしてもらえばよい。
この世に生きる人たちは遺伝要因でも環境要因でもばらついていて、その特定の組み合わせがその人を作っている。
その出来上がったもののばらつきの中で、遺伝要因によるばらつきと環境要因によるばらつきが、それぞれ何%ずつかを問題にしているのである。
たとえば学業成績の偏差値が同じ50の人でも、ある人は遺伝的にはふつう(「ふつう」とは「ふつうの平均的な環境に育てば」の意味である)60取れるのに、環境が劣悪でふつうの力が発揮できず-10だったために50という人もいれば、ふつう遺伝的には40の人が、特に恵まれた+10の環境で学習したから50になったという人もいるというモデルを考えている。
しかしそれをひとりひとり知ることはできないし、これだと個人単位でパーセント表示できないので、「ばらつき」という形で見るのが双生児法である。
双生児法では、きょうだいの類似性を示す相関係数という数字を使う。完全に類似していればその値は1、全く似ていなければ0、学業成績だとたとえば一卵性では0.75、二卵性だと0.45くらいである。
これは遺伝要因(x)も家族が共有する環境要因(y)も同じ値で散らばった人たちの類似性が0.75(x+y=0.75)、遺伝要因では半分しか類似していない(0.5x)が、家族の共有環境要因では同じ値(y)で散らばった人たちの類似性が0.45(0.5x+y=0.45)ということなので、(カッコの中に書いたxとyの二つの式からなる連立方程式を解くと)遺伝率(x)が60%(0.60)となる。
残り40%(0.40)が遺伝によらない環境の影響である。そしてその環境の中でも、家族で類似する共有環境の割合(y)が15%、それでも説明されない家族で共有されない一人ひとりに固有な環境の影響が残る25%(ちょうど一卵性が類似して「いない」程度、つまり完全な一致を示す1から一卵性の類似性0.75を引いた値に等しい)ということになる。
・・・・・・明日に続く・・・・・
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